「指示待ちメンバー」が「自律型人材」に変化した問いかけ
- kaedefukushima
- 8月8日
- 読了時間: 3分

あるとき、課長の佐々木さんから悩みを相談されました。
「1on1を週1やっているけど、意味あるんですかね...?」
「メンバーはどうしたらいいですか?としか聞いてこなくて…」
佐々木さん(46歳・男性)は、とある2万人規模のメーカーで、営業メンバーを6名を抱えています。穏やか・誠実な方で、相談には一つひとつ丁寧に答えてあげる「優しい上司」です。
ある日の、若手メンバー(27歳)との1on1では
メンバー「お客様から提案を求められてるんですが、どうしたらいいですか?」
佐々木さん「うーん、まず自分で考えてみて欲しいんだけど、この場合はこうして....」
メンバー「分かりました。やってみます。」
また次の回でも
メンバー「お客様に伝えてみたのですが反応が微妙で...次はどうしたらいいですか?」
佐々木さん「(そろそろ意見もってきてくれないかな...)そうか、だったら次はこうして...」メンバー「分かりました!」
上司である自分が、毎回答えを出して1on1の時間が終わっていく。
自分で考えるように言っているのに、考えを持ってこない。
このままじゃ、メンバーの成長にも繋がらないし、どうしたらいいのか。
そんなときに、当社の研修を受けていただきました。
研修では「自分で考え、自分で動く人材育成」をコンセプトに、
コーチングのフレームワーク「GROWモデル」を使って1on1を実践していただきました。
GROWモデルとは
G:Goal(目標)どうなったら理想的?
R:Reality(現状)現状すでにできていることは?
O:Options(選択肢)どんな選択肢がありそう?
W:Will(意志)まず何からやってみる?
研修後の1on1で、佐々木さんにメンバーがいつものように相談を持ちかけてきます。
メンバー「お客様から、今の商品の契約を終わりにしたいと言われていて……どうしたらいいですか?」
佐々木さんは、いつものように答えを教えるのではなく、グッとこらえて問いかけました。
佐々木さん「なるほど、そのお客様とどうなったら理想的?」
メンバー「そうですね。。。できれば、今の商品の良さをきちんと伝えて、引き続き使ってもらえたらと思ってます」
佐々木さん「うん、いいね。それが実現できたら、お客様との信頼関係も続きそうだね。 じゃあその先は、さらにどうなったら最高?」
メンバー「この経験をもとに、他のお客様にも提案ができたり、後輩にも教えられたら、営業としてすごく自信がつくと思います」
佐々木さん「おお、素晴らしいね!」
このあとは、「現状すでに、できていることは?」「理想に向けてどんな選択肢がある?」「まず何から始めてみようか?」と問いかけながら、本人に、行動を決めてもらうための関わりをしました。
それから、数週間後。佐々木さんから嬉しい報告をもらいました。
「『どうしたらいいですか?』しか言わなかったメンバーが、『他社とコラボして、少し変わった企画をやってみたいと思ってる』って、斬新で新しいアイデアを出してくれたんですよ!しかも、企画案も自分で考えて、進めてくれているんです。私は、実現に向けて社内の承認を取るのに、大忙しです(笑)」
自律型人材を育てる、自分で決めるための「問い」
心理学(自己決定理論)では、人は「自分で選び、決めた」と感じるときに、最も意欲的に行動できるとされています。
だからこそ、1on1では「こうするといい」と教えるのではなく、問いを通じて自分で考えて、自分で行動を決める関わりが重要です。自ら理想を描き、現状とのギャップを見つけ、選択肢を考えて行動を決める。
上司が支援しながら、そのプロセスを辿ることが自律的な人材を育てることに繋がります。
「うちでも、こんな1on1ができたら…」
「自立型人材を増やしたい…」
そう思った方は、ぜひ下記よりご相談ください。︎
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