top of page

ニュース

評価の納得度を高めた「ある関わり」

  • 執筆者の写真: ENCOURAGE INNOVATION
    ENCOURAGE INNOVATION
  • 10月6日
  • 読了時間: 4分

ree

「正しいことを伝えているのに、 なんで納得してくれないんだろう…」


金融業界で40名の部下を持つ部長の伊藤さん(51歳・男性)は、

人事考課面談のたびに頭を抱えていました。 


評価基準をもとに、評価の根拠を丁寧に説明しているのに、

部下からは「もっと高い評価だと思っています」と返され、その後説明を重ねてもなかなか納得してくれず....。


そんな時に、当社の研修を受けていただきました。


研修では「自ら考え、自ら動く人材育成」をコンセプトに、

面談で評価結果を伝える前に、まずは部下の取り組みや自己評価を、

「受容・共感の姿勢で聴く」ことを実践していただきました。



受容・共感とは

臨床心理学者カール・ロジャーズは、人が成長・変化するために欠かせない条件として

「中核3条件」と呼ばれる3つの態度を提唱しました。


受容・共感はその中の2つの条件にあたります。

【受容】相手の言動を否定も肯定もせず、そのまま受け止めること

【共感】相手の立場に立ち、「自分がその人だったらどう感じるか」を知りたい・分かりたいと思って関わること

【自己一致】自分の感情や思考を偽ることなく、自己一致していること



研修後の面談で、山本さんはまず部下の自己評価を傾聴することから始めました。


伊藤さん「評価を伝える前に、まずは〇〇さんの今期の自己評価を教えてくれる?」

メンバー「そうですね…。私はB評価くらいだと思います。特に新規対応を増やしたところは頑張ったと思います。」

伊藤さん「そうなんだね、新規対応は頑張ったと思っているんだね。」


相手の言葉を否定も肯定もせず、そのまま受け止めます(受容)。 


伊藤さん「その新規対応の中で、特に手応えを感じた場面はあった?」

メンバー「はい、A社の案件です。時間はかかりましたが、関係をつくれたのは大きかったと思います。」

伊藤さん「なるほど、A社の関係づくりに力を入れてきたんだね。確かに、しっかり取り組んでくれていたのを見ていました。他に、自分なりに頑張ったことを教えてくれる?」


受容した上で、さらに「自分が相手だったらどう感じるか」を知ろうと問いかけます(共感)。


メンバー「はい。チームのサポートも意識しました。特に新人が初めて顧客対応に出るときは、事前に一緒に準備をして、終わった後も振り返りをするようにしていました。」


伊藤さん「確かに、そういうサポートを私も見ていました。新人が安心して動けていたのは

〇〇さんのおかげだと思います。」


メンバー「ありがとうございます。それを言ってもらえると嬉しいです。」


 このように、まずは部下の自己評価を丁寧に聴き、受け止め、質問を重ねながら理解を深めた上で上で、評価の結果を伝えました。


伊藤さん「〇〇さんの取り組みの中で、新規のお客様への丁寧な対応や、新人サポートは私も高く評価しています。その上で、期初に一緒に確認した“新規10件の獲得”については4件にとどまったため、総合評価は“C”としました。根拠は、成果面での未達成があった一方で、プロセス面では大きな貢献があったからです。聞いてみてどう感じますか?」


メンバー「正直、悔しい気持ちはありますが、確かに数字は届いていませんでした。理由も理解できました。来期は数字に対して行動計画を立てて取り組みたいと思います。」



受容・共感が「納得感」をつくる理由


カール・ロジャーズは「人は、相手に受け入れられ、理解されていると感じたときに、自己理解や行動変化が促進される」と提唱しています。


受容と共感は「相手が心を開き、新しい見方やフィードバックを取り入れるための心理的土台」となるのです。

この観点から見ると、人事考課面談で部下が納得するかどうかは、評価内容の正確さそのものよりも、「自分は理解され、受け入れられている」と相手が実感できる関わりによって、大きく左右されます。


「評価を伝えても、なかなか部下が納得してくれない...」

「人事評価制度を入れたのに、社員の満足度が上がらない...」


そんなお悩みがある方に向けた、セミナーを実施いたしますので、ぜひご参加ください。


セミナーのお申し込みはこちらから


テーマ:なぜ、人事考課面談で部下が納得しないのか?

日 程:2025年10月28日(月)12:00〜12:50

形 式:Zoom / 無料

内 容

・なぜ、評価制度の満足度はわずか3.2%にとどまっているのか?

・評価フィードバックの納得度が低い要因

・納得感を高め、行動改善につなげるフィードバックのポイント

特 典:「部下の納得度を高めるフィードバックチェックリスト」 


セミナーのお申し込みはこちらから


 
 
 

コメント


bottom of page